東京下流人日記|ワーキングプア脱出をめざす自宅警備員の生活と意見、時事議論、書評など

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日本の企業統治と雇用制度のゆくえ

|2014年5月 4日 22:51| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
宮本光晴著
毎日新聞2014/5/4 
松原隆一郎書評

日本企業はグローバル・スタンダードに向かっているのか?
長期雇用を保証される正社員は減少している。
しかし、日本企業がアメリカ化したわけではない。
成果主義は導入されたが、長期雇用は維持される「新日本型」と、グローバルな「アメリカ型」が勢力を二分した。
しかし、ひとつの謎がある。従業員にはなぜか株主価値重視の経営を支持する傾向がみられる。それは長期雇用を望む従業員の指向とは矛盾する。この矛盾をいかに解釈するかが、本書の読みどころであると松原はいう。

「新日本型」は長期雇用を社会的貢献とみなす。だからこそ従業員は配当という株主価値の重視をむしろ経営者に課する監督とみなし共鳴したというのだ。
以上が、松原の書評の要約である。

宮本が示しているように、単純に日本の企業がアメリカ型になっているのではないというのはまったく同感である。一時期、終身雇用、年功賃金は終わったと喧伝されたが、実際はそうでもない。大企業では終身雇用は守られている。ただ、賃金は企業の業績によっては、年齢とともに上がりにくい企業もあるだろう。それは、日本型は維持されているし、維持しようとしているが、激しい経済変動において、一時的に昇給のペースがいびつになっているとみなすのが妥当である。結論としては、日本型は脈々と受け継がれている。それが、旧来のものとはやや異なるという点にも賛成である。ただ、私は、その異なる点というのは、一時的なもののように思われる。日本企業のあり方は、昔の日本的経営と底流においては同じである。株主価値を重視するというのは、そうしなければ、資本主義の企業統治のメカニズム上、経営が成り立たないことをみんな知っているからだろう。会社がつぶれるほどの昇給を求めるような、無茶な組合はいまはいない。みんなグローバルな波には勝てないことを学んだ。その上で、グローバルな波にのみこまれないようにしながら、長期雇用は守ってほしいというのが、今の社員の気持ちだろう。それは、変化したようにみえるが、じつは昔と底流にあるものは同じなのである。その底流にあるものとは何か、それは・・・。

日本の企業統治と雇用制度のゆくえ―ハイブリッド組織の可能性


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