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歴史が教えるマネーの理論/飯田泰之

|2014年5月25日 13:34| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
歴史が教えるマネーの理論/飯田泰之

貨幣理論の本である。

貨幣数量説を批判的に紹介し、そこから歴史上の出来事を貨幣の理論で説明するという試みをおこなっている。なかなか面白いと思った。

江戸時代の改革についても触れている。幕府の貨幣改鋳による収入増の施策は最初のうちは成功し、文化文政の繁栄をもたらした。しかし、その後はうまく行かなくなった。それは、武士の報酬はコメで与えられていたが、経済の発展とともに、相対的にコメの価値が下がったからだという。相対的な価値を変えるようなことは、貨幣政策では関与できない。

ただ、疑問点もあった。まず、貨幣数量説を批判しているが、それは正当だろうか。原始的な貨幣数量説を批判し、為替を取り入れた新古典派的な貨幣数量説と合理的期待を取り入れた現代的な貨幣数量説を著者は紹介する。もちろん、それぞれは異なるのだが、原始的な貨幣数量説のなかに含まれる基本的な考え方は批判するようなものではなく、基本であるというべきもののように感じた。為替が理論のなかに取り込まれていないのは、欠陥のようにいっているが、為替は省いて考えるというのも、思考の方法としてはある。為替が関係するとかなり議論が複雑になり、むずかしい。現代の日銀・黒田の政策も、為替操作を目的にしていないと言及している。合理的期待についても、それほど重要かと突っ込みたい。ただ、私は専門家ではないので、定義についてはよくわからない。

現代の貨幣政策については言及していない。とくに日本の日銀の政策については、みんなの知りたいことである。それは、リフレについての後の本でおそらく議論が展開されているだろう。そちらも読んでみようと思う。




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