東京下流人日記|ワーキングプア脱出をめざす自宅警備員の生活と意見、時事議論、書評など

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シュムペーター『資本主義・社会主義・民主主義』

|2011年9月13日 01:33| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
さて、マルクスは資本主義を社会学的に、すなわち生産手段の私的支配の制度として定義するのであるが、しかし資本主義社会の機構を説明するのは彼の経済理論である。この経済理論が示さんとするものはこうである。すなわち、階級、階級利害、階級活動、階級間の交替のごとき概念に示された社会学的与件が、いかにして経済価値、利潤、賃金、投資などの媒介をつうじて作用するかということ、および、ついにはそれ自身の制度的骨組みを瓦壊せしめ、その反面次にきたるべき社会の出現に必要な諸条件をつくり出すような経済過程をまさにいかにして生み出すかということ、これである。マルクスの特殊な社会階級論は、歴史の経済的解釈を利潤追求経済の概念と結びつけることによって、いっさいの社会的事実を整理し、すべての現象に同一の焦点を与えんとする分析用具である。したがってそれは、個々の現象を説明すること以上にはなんらのこともないえないような単なる個々の現象の理論ではない。その理論は、まさに一つの有機的機能をになっている。そしてその機能は、実のところマルクスの威力を分析する人がいかにその弱点をゆるしえたかを理解するならば、この機能はおのずから明白となるであろう。
マルクスの社会階級論をそのまま賞賛する狂信者が昔も今もつねに存在した。しかしそれよりも、個々の構成部分の弱点はいかほど多くともほとんどゆるしうるという気持ちにまでなって、全体としてのマルクス理論の綜合の力と偉観とを賞賛する人たちの気持ちのほうがはるかに了解しやすいものである。
[P30-31]

最初のパラグラスの最後の1行はわかりにくい。ほめているのか、けなしているのかわからん。有機的機能が素晴らしいから、理論の弱点には多くの人が目をつぶったということか。

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資本主義・社会主義・民主主義
J.A. シュムペーター
東洋経済新報社
1995-05


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