東京下流人日記|ワーキングプア脱出をめざす自宅警備員の生活と意見、時事議論、書評など

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貿易赤字は悪いことではないという主張。

|2011年3月21日 01:37| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
貿易黒字・赤字の経済学―日米摩擦の愚かさ [ハードカバー]
小宮 隆太郎

小宮のこの本は、マクロ経済学の貿易についての理論をまとめた本である。

雑誌などに書いていたものをまとめたもので一部重複がある。

全体の主張は、当時(1990年代)日本の貿易黒字がすさまじく、それがアメリカから批判を浴び、国際的な問題となっていた状況を背景としている。小宮の主張は、マクロ経済学で考えれば、貿易黒字も貿易赤字も悪いことではなく、アメリカから圧力を受けても、日本があやまる必要はなく、譲歩する必要もないということである。

おそらく、小宮の主張はマクロ経済学的には正しいだろう。

ただし、理論的には素人にもわかるような感じではない。理論の核心はよくわからなかった。わかりやすくかみくだくのではなく、同じレベル(学者のレベル)の説明を何度も繰り返している。

この内容は重要である。貿易赤字は、通常の会社の経常赤字とは異なり、国家の貿易赤字は何らかの形で均衡するから、とくに問題はないらしい。

いま、円高で悩む日本は、このことをよく理解すべきである。しかし、赤字は悪というイメージがほとのどの人の頭にあって、冷静な議論をはばんでいるからだ。円高でもいいじゃないかということも、合わせて啓蒙する必要があるだろう。偏狭な民族主義的な国益を主張する人びとにも効果があるだろう。古い本だが、いまこそみんな読むべきだ。

小宮の主張は正しいと思われるが、この本の最大の難点はこの人の人格にある。まるで駄々っ子のように、自説を主張している。人間の程度が低すぎる。ケインズが偉大なのは、理論だけではなく、ノブレス・オブリージュを体現する人格にあったということを思い出せ。もっと大人になれ(もう年だけど)、といいたい。

ゆえに、星を4つ差し引かせていただきました。

★(星ひとつです)

貿易黒字・赤字の経済学―日米摩擦の愚かさ
小宮 隆太郎
東洋経済新報社
1994-09

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