東京下流人日記|ワーキングプア脱出をめざす自宅警備員の生活と意見、時事議論、書評など

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西太平洋の遠洋航海者/マリノフスキー

|2010年5月 1日 22:28| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
講談社学術文庫で、マリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』が発売されている。

この本は、図書館にある古びた中央公論社の世界の名著というシリースでしか読んだことがなかったのだが、このたび、1冊の本として出版された。めでたいことである。文化人類学の不朽の名著なので、簡単に入手できるようになったのはたいへんありがたいことだ。講談社に感謝したい。

この文庫には、解説を中沢新一が書いている。「クラと螺旋?新しい贈与経済のために」というものだ。トロブリアンド諸島出身のジョン・カサイプロヴァという詩人であり作家であった人の語った話について書いている。「空とカタツムリ」という話である。内容は省くが、結論をいうと、クラはかたつむりのように螺旋状に広がり、無限に拡大する円運動である。他方、西洋の経済はリニア=線形であり、広がらない。そういう例えばなしによって、現代の経済を批判し、伝統社会の互酬的な経済を称揚している。

人類のおこなう経済には、構造の違う2つの種類があり、それぞれが違った世界観や人間関係を生み出してきた。贈与経済を「螺旋」とよび、市場経済を「リニア」という対比であらわすのはいい表現だと思う。ただ、この書き方には首をかしげるところもあるが、ここではそうした点は書かない。各自、読んでみてください。

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西太平洋の遠洋航海者 (講談社学術文庫)
ブロニスワフ・マリノフスキ
講談社
2010-03-11



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