東京下流人日記|ワーキングプア脱出をめざす自宅警備員の生活と意見、時事議論、書評など

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小池和男VS野村正實 「知的熟練」論争

|2009年6月 3日 23:30| 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)

小池和男は、経済学では重鎮である。小池は、1970年代、80年代にかけて、実証的なデータにもとづいて、年功賃金や終身雇用は世界中どこにでもあると主張し、日本的経営論を批判した。その批判はけっこうな支持を得ており、日本的経営の議論はかなりむずかしくなったことは事実である。

他方、小池の研究としては「知的熟練」を主張している。この日本独特の熟練が、日本ではあまり尊重されていないと憤っている。

その小池に対しては批判も多い。とくに、野村正實は執拗に小池を批判している。

大原社会問題研究所雑誌の「知的熟練論の実証的根拠――小池和男における理論と実証」を見ると(これはネットで見ることができる)、その批判は厳しいものである。そのほか、『知的熟練論批判――小池和男における理論と実証』ミネルヴァ書房 もある。

小池が「知的熟練」を主張するときに使った「仕事表」なるものが、小池の創作だというのである。これが事実とすれば、笑ってすませられる問題ではない。実証性をウリにしている小池が、データを捏造(?)しているのだとしたら、これは研究者としての生命にかかわる問題だろう。

その批判に対して、小池はきちんとした再反論をしていないようだ。そうこうしているうちに、小池がまた本を出した。『日本産業社会の「神話」―経済自虐史観をただす』である。

「日本は集団主義の国」「日本人は会社人間」「長時間労働が競争力を強化」「成長は政府のお陰」―。日本を惑わす迷信を、労働経済学の第一人者が一刀両断。

という宣伝文句である。一刀両断する前に、データ捏造問題を釈明しないと、自分自身が一刀両断されると思うのだが。いや、もうすでに一刀両断されているのかもしれん。

日本産業社会の「神話」―経済自虐史観をただす
小池 和男
日本経済新聞出版社
2009-02


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